防爆の概要
1.防爆とは
2.危険場所の分類
3.防爆構造による分類
1.防爆とは
可燃性ガスや可燃性液体の蒸気(爆発性ガス)が空気と混合し、爆発性雰囲気になります。この爆発性雰囲気に着火源が触れると爆発が生じます。爆発性ガス・酸素・着火源の爆発の3要素の内の一つの条件でもなくせば、爆発を防ぐことができます。爆発を防止する構造をもつ電機機器を「防爆電気機器」といい、危険場所で使用する電気機器は「防爆電気機器」でなくてはなりません。大同工業所では、爆発3要素のうちの着火源をなくし、防爆化された電気機器を製造しています。
2.危険場所の分類
危険場所は、爆発性雰囲気が生成される頻度や時間等により、危険度に応じて3種類に分類されています。大同工業所の防爆冷温機器は第一類危険箇所、第二類危険箇所で使用可能です。
特別危険箇所 (0種場所、Zone0) |
爆発性雰囲気が通常の状態において、連続し長時間にわたり、又は頻繁に可燃性ガス蒸気が爆発の危険のある濃度に達するものをいう。 |
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第一類危険箇所 (1種場所、Zone1) |
通常の状態において、爆発性雰囲気をしばしば生成するおそれがある場所をいう。 |
第二類危険箇所 (2種場所、Zone2) |
通常の状態において、爆発性雰囲気を生成するおそれが少なく、また、生成した場合でも短時間しか持続しない場所をいう。 |
※危険場所の判定については、日本工業標準調査会 JIS検索より、JIS C 60079-10(爆発性雰囲気で使用する電機機械器具 第10部危険場所の分類)を参照ください。
3.防爆構造による分類
防爆電気機器は、爆発性ガスの存在する場所や使用目的によって分類されています。大同工業所の防爆冷温機器では、制御回路に耐圧防爆構造、冷媒回路に内圧防爆構造を採用しております。
耐圧防爆構造 (Flameproof enclosures) |
容器が、その内部に侵入した可燃性ガス蒸気による内部爆発に対して損傷を受けることなく耐え、かつ、容器のすべての接合部分又は構造上の開口部を通して外部の対象とする可燃性ガス蒸気の発火を生じさせることのない電気機器の構造をいう。 |
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内圧防爆構造 (Pressurized enclosure) |
容器内の保護ガスの圧力を外部の雰囲気の圧力よりも高い圧力値に保持し、かつ、容器内の可燃性ガス蒸気の濃度を爆発下限界より十分に低いレベルに希釈することによって、防爆性能を確保する電気機器の防爆構造をいう。 ※内圧防爆構造には内圧低下検出装置の設置が必須となります。 |
安全増防爆構造 (Increased safety) |
正常な使用時にはアーク又は火花を発生することのない電気機器に適用する防爆構造であって、過大な温度上昇のおそれ並びにアーク及び火花の発生のおそれに対して安全性を増加し、これらの発生を阻止する手段が講じられた電気機器の防爆構造をいう。 |
本質安全防爆構造 (Intrinsic safety) |
正常状態及び特定の故障状態において、電気回路に発生する電気火花及び高温部が規定された試 験条件で特定の試験ガスに発火しないようにした防爆構造をいう。 |